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こんにちは、「利島ドルフィンプロジェクト」の坂野です。

2012年8月16日、NHK「ニュースウォッチ9」で放送された、「島にイルカがやってきた!」の番組の中で、数か所、事実と異なる表現がありましたのでお知らせいたします、
聞きとり方次第でいかようにも受け取れる表現ではあるのですが、視聴者が誤った認識を持つ可能性があること、ひいては、利島の名誉と利益を損なうことになると判断し、NHKに対し、訂正放送を行なってほしいと要請しました。

事実と大きく異なる部分は、以下の2点です。

1.イルカが、最近になって住みついたかのような表現:
番組ナレーション:
「実は最近になって棲みつくようになったんです。」
「イルカが島の周辺に棲みつくようになったのは3年前、年々数は増え、今では16頭になりました。」
「小さい島に突然やって来たイルカたち」

番組では、イルカが突然16頭棲みつき、それを目当ての観光客が増え、島が対応に追われているかのような描き方になっていますが、利島にイルカが棲みついたのは1995年に遡る話であり、最初の一頭が子供を生み、その親子を住民登録するなど、以来、15年以上にわたって島がイルカの保護を続けてきた歴史があります。
また、現在棲みついている16頭の中に、利島生まれの子供がいることにも一切ふれず、すべてが移住してきたイルカと誤解される可能性があります。

2.最近になり、利島のドルフィンスイムの規則や時間が決まり、イルカ保護規定が実行されるようになったかのような表現。
番組ナレーション:
「高縄さんはドルフィンスイムを行なうダイビングショップにイルカと上手に付き合ってほしいと働きかけてきました。その甲斐あって、イルカのストレスを少しでも減らすためのルールが徹底されています。更に、ツアーを90分以内に終えるという島独特の決まりを設けました。」

利島の「イルカ保護規定」は、1995年に一頭のイルカが棲みついた時点で、国内外のイルカ研究家のアドバイスや各地の規則を参考にし、藤井雅彦氏と私が中心となり、プロジェクトのメンバーで作り、実行されてきました。
また、ドルフィンスイムの時間については、最初は80分以内にしようという案もでましたが、わかりやすく、切の良い時間と言うことで、藤井氏の提案で改定されたものです。利島が付け焼刃的にイルカ保護を始めたわけではありません。

今回、私たちは以上の2点を正しく訂正してほしいとNHKに申し入れをおこなったところ、8月20日の夕方、放送前の忙しい時間にもかかわらず、「ニュースウォッチ9」のチーフプロデューサー、「映像取材部」のチーフプロデューサー、そして実際の取材をした映像記者の3名が対応してくださいました。
NHKの見解は大体次のとおりでした。「指摘された1、2共事実誤認とは言えない。視聴者にわかやすく伝えるために、利島のイルカについての最近の状況だけを取り上げた」
私たちは「利島のイルカ保護は、漁師を含め島民がイルカを暖かく見守ってきた歴史があり、それがあったからこそ、今こうして16頭のイルカが棲みついている」と言う点を主張し、「その歴史を無視したのは<視聴者にわかりやすく>ではなく、<制作者に作りやすく>しただけである」という私の映像作家としての見解も伝えました。

この手の話し合いはどこまでいっても平行線で終わるのが常で、私自身も何度も経験がありますが、以前は「おっしゃることはわかりますが、テレビ局としては事実誤認とは認められないので訂正謝罪は出来ません」で終わりでした。ところが、インターネットの普及で状況が一変しました。放送後も、繰り返しその映像が見られる上、それに付随する様々な情報も必要であれば提示できるようになったのです。
ということで、今回は最終的には、番組のHPのお問い合わせ欄に利島がイルカを保護してきた歴史があることを掲載し、利島ドルフィンプロジェクトの公式サイトにリンクすることになったわけです。

以上が今回のNHKへの申し入れの大まかな経緯です。
とにかく、今後マスコミの取材には十分気をつけなければいけないと反省した次第です。
                   
                            「利島ドルフィンプロジェクト」チーフアドバイザー 坂野正人 

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